アメリカ車のイメージが確立され、ビッグ3が大躍進を遂げる
戦後のアメリカ車はラインナップが拡充され、エンジンやトランスミッションといったメカニズムも大きな進化を遂げた時代。
世代によって異なる0ビンテージの世界を凝縮
AMERICAN DAILY VINTAGE CAR
気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー
クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。
1950-1960年代
戦後の好景気によってアメリカ車の生産台数は増加し、ラインナップが拡大していった時代。テールフィンなどアメリカ車のイメージが確立されたのも大きなトピック。
戦後のアメリカ車はラインナップが拡充され、エンジンやトランスミッションといったメカニズムも大きな進化を遂げた時代だった。デザインにおいてもテールフィンが世界の自動車デザインに大きな影響を与え、好景気も手伝って、アメリカ車の生産、販売台数は大きく伸びていく。アメリカ車のイメージが確立されたのが、この時代のトピックだと言える。
メカニカルコンポーネンツやデザインにおける大きな変革期
第二次世界大戦が終了ししばらく経った1940年代の終わり、アメリカ車のラインナップは順次戦後新設計のモデルへと移り変わっていった。
そこではエンジンやトランスミッションを初めとするメカニカルコンポーネンツはもちろんのこと、商品としてのクルマにとって最も重要な要素だった内外装のデザインに対しても大きな変革が訪れていたと言っていいだろう。
エンジンについては、まずキャデラック、ビュイック、オールズモビルから新設計のV型8気筒OHVが立て続けにリリースされたのが大ニュースだった。これらはまさしく新時代の申し子であり、それ以降アメリカ車=パワフルなV型8気筒エンジンという図式が出来上がるきっかけともなった。
当初はプレミアムブランドのみでの展開だった新型V8エンジンのムーブメントは、数年を経てベーシックブランドへと波及することとなり、現代においても名機中の名機とされているシボレー・スモールブロックが登場したのは1955年モデルでのことである。
さらにトランスミッションについても、トルクコンバーターとプラネタリ―ギアを併用したオートマチックが普及し始めたのも1950年代の初めからのことであり、余裕あるパワーとイージードライブというアメリカ車のスタイルが形作られた時代でもあった。
エクステリアデザインについては、戦後第一世代のキャデラックが先鞭を付けた、いわゆるテールフィンが1950年代から1960年代初めに至るまで、アメリカのみに止まらず世界の自動車デザインを席巻することとなったのは特筆すべきことである。
この時代のアメリカは折からの好景気を背景に大衆の購買意欲は極めて旺盛。自動車の生産台数も伸びる一方だったことから、高価なプレミアムブランドカーのみに止まらずベーシックブランドカーであってもコストが掛ったデザインが惜しげも無く投入された時代でもあった。
具体的にはシボレーやフォードといったベーシックブランドのクルマであっても、それぞれのメーカーでの上級ブランドだったキャデラックやリンカーンといった高級車と比較しても、さほど遜色のないレベルにまで凝ったディテールデザインが導入されていたということである。
一方、大量生産大量消費時代の到来は、個々の自動車メーカーの新型車開発力や生産力、ディーラー網の整備も含めた販売力を市場で問うこととなった。その結果、ハドソンやパッカードといった戦前からの伝統あるメーカーの多くがその存続を絶たれ、最終的にはいわゆるビッグ3の大躍進に集約されることとなるのである。
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■Text & Photos|アメリカンビンテージカーマガジン
アメリカンビンテージカーマガジン VOL.4
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