AMERICAN DAILY VINTAGE CAR
気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー
クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。
サッシュレスの4枚ドアを持つベルエア
クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。
戦後の好景気によってアメリカ車の生産台数は増加し、ラインナップが拡大していった時代。テールフィンなどアメリカ車のイメージが確立されたのも大きなトピック。
1950年代を象徴するアメ車の1台がシボレー・ベルエア。メジャーな2ドアモデルとコンバーチブル、さらにレアだが、認知度が高いステーションワゴンのノマドベルエア。そしてもうひとつのボディバリエーションが、実に希少な4ドアスポーツセダン。サッシュレスの4枚ドアを持つベルエアである。
マッドネスモータースの井上代表から「まだ仕上げ途中です」と伝えられた57年式のベルエア。とはいえ、真紅の塗装やメッキ類は良好な状態にあり、このままでも十分という高いクオリティを確保している。また、経年劣化で透明度を失うことが多い前後の合わせガラスは、すでに新品のものへと交換されている。よって前後の視界は非常に良い。
さらにリアのアイアンバンパーも新品へと交換されており、状態の良いメッキパーツと相まって、よりスタイリッシュなリアビューとなっている。 そして何より注目なのが、ベルエアなのに4ドアというボディだ。これは4ドアスポーツセダンというグレードで、ベルエアの中でも非常に希少なモデルだ。サッシュレスの4枚ドアを開ければ、新品に張り替えられたレザーシートが現れ、強烈な個性を放っている。
テールフィンはこの年代のアメ車を象徴するリアビュー。メッキパーツも良好な状態を保っている。
1950年代のアメ車を代表する1台であるベルエア。それゆえ、かつては数多くの個体が日本にも存在していたが、ここに紹介する4ドアモデルは非常に希少な個体。4ドアスポーツセダンというグレード。
エクステリアカラーと同じレッドカラーのインパネは割れなどもなく、非常に良い状態。細身の赤いステアリングはオリジナルで、ミッションはコラムシフトの3速AT。ゆえにフロントシートはベンチタイプとなる。
ホワイト×レッドのツートンカラーのレザーシート。前後ともに張り替えを実施している。
仕上げ途中の個体なのだが、前後のウィンドーとリアバンパーは新品パーツへと交換済みだ。
エンジンは、オリジナルの289CIDエンジンのV8を積むナンバーマッチング。ラジエターはノーマルで、これにパワステとエアコン、大容量のオルタネータを装備し、快適かつ日常的に乗れる仕様へとカスタマイズされている。まだ仕上げ途中なので、追加の要望に対応することも可能だ。
1955年、シボレーのパッセンジャーカーは大規模なフルモデルチェンジを実施した。そこでのコンセプトの一つだったのは、同じGMの最上級ブランドだったキャデラックにも負けないルックスをベーシックブランドにも与えるというものだった。
とくに最上級グレードだったベルエアには下級グレードの150や210ではメインモデルだった2/4ドアセダンに加えて、2ドアハードトップや2ドアコンバーチブル、さらには4ドアハードトップセダンまで用意されていたという充実ぶりだった。
クロームメッキを多用した内外装トリム、充実したオプションの数々、さらにはベーシックな直列6気筒エンジンからV型8気筒もラインナップされ、その中には本来はコルベット様に開発されたメカニカルフューエルインジェクション仕様もあった。 1955年から1957年までのシボレーは一般にはトライ・シェビーと呼ばれ、シボレーの歴史の中でも特に人気が高いシリーズとして広く認識されている。
「KELLY CHARGER」のホワイトレターが目立つ USブランドのタイヤを履く。トレッドパターンもクラシカルなデザインである。
取材協力 マッドネスモータース
所在地:埼玉県川口市本郷1-4-26
TEL:048-229-8396
http://madnessmotors.jp/
■Text & Photos|アメリカンビンテージカーマガジン
アメリカンビンテージカーマガジン VOL.4
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