男のマニュアルミッションでマッスルカーの走りを堪能するべし!【東海カーズ】

コレクションして楽しいビンテージカーだろうと、稀少なマッスルカーだろうと、「クルマは走ってナンボ。走って楽しんでこそのアメ車!」を標榜するのが『東海カーズ』。
常時かなりの台数を揃えるストックには、マニュアルミッション車もズラリ。しかも、どれも公道試乗だってOKなのだ!MOPARの伝説的なパワーユニット、強烈なマグナム440(7.2?)にスワップされたバラクーダは、本物の「クーダ」以上の走りを披露する。
クラッチミートとともに背中を押される感覚はバーンアウトだって簡単。トルクバンドの広さも印象的で、マニュアルミッションを3速に入れておけば、100km/hオーバーまでATのような走りができてしまいそうだ。サスペンションもKONIのショックで強化され、この時代特有のフワフワした乗り味がまったくなく、ハンドリングもシャキっとしている。
60~70年代のマッスルカーを中心に「走れる」クルマを豊富に在庫しているのが『東海カーズ』だ。ポリシーは「ビンテージだろうがなんだろうが、クルマは走ってナンボ」。最近はアメ車のビンテージをただ眺めるだけ、あるいは所有欲を満たすだけのオーナーが増えているような気もするが、東海カーズはそんな風潮に異を唱える!
実際、常時70台以上を揃えている同ショップのガレージだが、マニュアルミッション車の多さに驚かされる。 しかも、どのクルマもしっかりナンバーを取得していて、公道の試乗がOK。代表の細井学さんは「ちゃんと乗ってみて、自分で納得してから購入してほしい」と、その思いを語る。在庫車は普段、ガレージ屋内に展示され、さらにシートも被されている。「大事にされてる感」がハンパなく、ボディの美しさはバツグン、試乗を許されているからには、エンジンなど機関のコンディションにも自信あり、ということだ。
そんなわけで今回は、編集部が抜き打ち的に東海カーズの在庫車を試乗、チェックしてみることにした。選んだのは70年型のプリマス・バラクーダだ。パワーユニットはノーマルの318からマグナム440にスワップしていて、正規のハイパフォーマンス仕様「クーダ」ではないものの、その中身はクーダと呼んで差し支えないだろう。そしてトランスミッションは4速マニュアル。こりゃあ、楽しめそうだ!
64年から74年まで製造されたプリマス・バラクーダ。今回試乗に選んだのは70年型、3代目モデルで、MOPARのEボディを採用、つまりダッジ・チャレンジャーとは兄弟車となる。ハイパフォーマンスモデルに“クーダ”があるが、今回のモデルは、そのクーダ仕様にカスタムしたものだ。
東海カーズのガレージから、何気なく選び出したバラクーダだが、まずはそのボディやインテリアの美しさにヤラれてしまう。ウワサには聞いていたが、さすがのコンディションだ。ドアを開閉するときの、指紋の跡さえ目立ってしまうほど…。もちろん、ナンバー付きで、いつでも出動はOK。さらに見惚れてしまうのは、MOPARのEボディの美しさ。
車幅が広く、それでいて短めの全長が、スポーティムードを盛り上げる。3代目のバラクーダは2ドアクーペとコンバーチブルの2タイプがラインナップしていたが、とくにヒップラインの造形が、タマらない!パワートレーンは、375hpを発揮するMOPARの伝説的ユニット、440マグナムエンジンと、4速MTの組み合わせ。ビンテージカーやマッスルカーとはいえ、ATの引き合いが強い現在、MTはレアな存在だが、こんな、本当のマッスルカーに出会えるのが、東海カーズというショップの魅力でもある。
また足回りも、KONIのショックで強化され、東海カーズの細井代表が「かなりのスピードでも楽々巡航できるよ」と言うのもうなづける。1時間ほど乗っていたら、カラダもすっかりクラッチワークに慣れて、うーん、東京までそのまま乗って帰りたくなってしまった…。
SPEC
全長×全幅×全高●4780×1900×1300㎜
ホイールベース●2743㎜
エンジン●V8
排気量●7.2L
最高出力●375hp/4600rpm
最大トルク●4800ft-lb/3200rpm
トランスミッション●4MT
もともとは318エンジンが搭載されていた個体だが、440マグナムエンジンに換装!
ハイパフォーマンスモデルの“クーダ”にも負けない実力、もはやこのクルマを“クーダ”と呼んでもいいだろう。
サスペンションはフロントにダブルウィッシュボーン・トーションバー式、リヤにリーフ式を採用。KONIのショックアブソーバーによって強化され、この時代のクルマ特有のフワフワした乗り味は払拭。引き締まった操縦性を獲得していた。
70年型の3代目モデルからEボディを採用したバラクーダ。ワイドで、短めのシルエットは、スポーティムードたっぷり。リヤサイドのデカールや、フロントバンパー部分の補助ランプがいい感じ! ちなみにこのハードトップのほか、この時代のバラクーダにはコンバーチブルも存在していた。
タイヤはフロントに235、リヤに255の15インチラジアルタイヤを装着。BFグッドリッチのホワイトレターは定番というより、ビンテージカーには定着。ホイールもオリジナルのスチール。
エクステリアだけでなく、インテリアのコンディションも上々!エアコン、パワステも装備だ。シートはレザーでドラポジの微調整も可能。リヤにも2人分の乗車スペースがしっかり確保されている。トランクルームも、実は余裕たっぷりなのだ。
Tokai Cars 東海カーズ 「サビまで愛してほしいのヨ」と謳う東海カーズのコマーシャル。
そう、東海カーズにとって、ビンテージカーの見た目の経年変化はしかたない。それより、中身をグッドコンディションにキープし、走って楽しめることこそが大切なのだ。
在庫は60~70年代のマッスルカーを中心に揃え、全開の試走もOK! 本当のマッスルカーに出会いたいなら、ここしかないのだ!
SHOP DATA
●所在地/愛知県豊川市東名町1-25
●TEL/0533-86-8890
●E-mail/info@car-s-mm.com.
●営業時間/9:00~20:00
●定休日/火曜日
写真/浅井岳男 文/高坂義信
アメ車マガジン 2018年 3月号掲載
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