マッスルカーのアイコン的存在として、君臨するポンティアックの最強モデル『GTO』

1971 Pontiac GTO
INITIAL P PONTIAC & PLYMOUTH
1971 Pontiac GTO
フェラーリの250GTOから着想したネーミングは、イタリア語におけるGran Turismo Omologato/GTクラスのホモロゲモデルを意味し、ポンティアックのハイパフォーマンスモデルを象徴する。中でも71年型は、独立したモデルとしてしては最終型で、激レアな存在。
パワーは低下したもののアクの強い顔にファンの多い71年型
ポンティアックの主力インターミディである、ル・マンのハイパフォーマンス仕様のオプションパッケージとして64年にデビューしたGTO。ボンネビルなどのフルサイズ車の大排気量エンジン、389ciを搭載し、4バレルまたは、2×3による6バレル・キャブレター、デュアルエキゾースト、ハースト社製シフターなどで武装する、メーカー純正のホットロッドともいえる内容だった。翌65年から67年では、縦2連による4灯式ヘッドライトのデザインが特徴的で、特定の世代にとっては、これこそが「GTO」とイメージする人も少なくない。
それに対して、一気にグラマラスなファストバックのボディに変更され、ヘッドライトはコンシールド式を採用した第二世代こそが、ポンティアックのブランドイメージにもマッチして、高い支持を得ている。パフォーマンスの面でも頂点を極めているうえに、映画『Two-Lane Blacktop』に登場する70年型GTOジャッジを通して、魅力が最大限に発揮されている。
セールス面でも歴代トップとなっているが、71年型では、排気ガス規制のあおりで、パフォーマンスが低下し、フェイスは、グリル全体が突き出たアクの強いデザインとなり、完全に賛否が割れる。
しかし、その個性的なルックスこそが71年型の魅力であり、この個体のオーナーも、71年型に限定して探し当てた。ちなみに、永年日常使用した70年型プリマス・クーダからの乗り換えで、まずはアメリカでの売り物を日夜探しまくったが、物件そのものが極端に少なく一度は諦めたほど。その後、この個体が、国内で売りに出ていたため、購入を即決した。
この時代のポンティアック車の特徴であるウレタン樹脂によるエンデューラバンパーを全面に押し出したマスクがインパクト大!よく似たル・マンとはボディこそ共通でも、フロントエンドは全て別物。この個体はオリジナルのGTOにJudgeのステッカーを貼っているトリビュート。
400ciの搭載エンジンは71年より圧縮比が8.2:1まで落とされるため、暴力的とは言えないが、300hpを発揮する。連結するAT ミッションは強化タイプのTH400。スペックからして、パフォーマンスは比較的マイルドだが、高速での高回転域では思いのほかパンチのある走りだ!
純正デザインのハイカムホイールは、イヤーワン社の17インチ版にアレンジ。装着タイヤはF:POTENZA RE050A(255/45R17)、R:NITTO NT450(279/50R17)。ホイールの変更に合わせて、スプリングをアレンジしてロワード。
シボレーよりも高級感があるGT感の強いデザインが特徴。プリズムデカールの採用はポンティアック・スポーツに共通する。フォーミュラステアリングはリプロ品を装着。
Photo & Text ◆ Hideki Ishibashi
アメ車マガジン 2020年 1月号掲載
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