ポリスカーらしさを残す最後の個体がクラウンビクトリア

2009 FORD CROWN VICTORIA POLIS INTERCEPTOR
アメリカ的“働くクルマ”がカッコイイ!!
映画好き、中でもポリス映画好きが高じてリアルに再現したポリスカーを愛車に
2009 FORD CROWN VICTORIA POLICE INTERCEPTOR
映画をキッカケにアメ車が好きになったというのは良く聞く話。そして大多数は主人公が愛用するクルマに興味を抱くものだが、ここで取り上げるフォード・クラウンビクトリア・ポリスインターセプターのオーナーは、サブキャラ的扱いのポリスカーに目を奪われてしまったのだ。そこで、ポリスカーらしさを残す最後の個体がクラウンビクトリアとして、これをベースに自身で一からポリスカーを再現した。
ベース車両を購入してコツコツと自身で仕上げた
パトカーや救急車といった緊急自動車を筆頭に、現金輸送車やコンクリートミキサー車、クレーン車にレッカー車といった車両は、日本においては特種用途自動車に分類されており、それぞれの用途に合わせて専用の装備を架装している。これらはまさにワーキングビークル、つまり仕事をするための専用車。したがって、一般の人が購入して日常で使うということはまずない。
しかし、乗れるのであればプライベートで乗りたいという思いを抱く人がいるのも確かで、さすがに日本のパトカーをそのままの仕様で乗ることはできないけれど、アメリカのポリスカーであれば乗ることができる。もちろん公道を走るためには日本の法令に適合させる必要はあるが、それさえクリアしてしまえば思いは叶えられる。紹介する@7091hookerさんがそうだ。
まずはポリスカーの前に彼がアメ車に乗りたいと思う様になったのは、映画「ブルースブラザーズ」である。映画は1980年に公開(日本は翌年の1981年)しているが、映画館のスクリーンで見たわけではなく、テレビの深夜枠で放送されていたのを見たそうだ。中学生ながら、見るなり「何てカッコイイんだ!」と虜になり、それ以降はカーアクション映画ばかりを見るようになったとか。それらを見ていたら、免許を取ったらアメ車に乗りたいと思うのは自然な流れ。その時になって実際に行動に移すかは本人次第ではあるものの、彼は行動に移している。そしてこれまでに、シボレー・カプリスワゴン&セダン、C‐1500、ダッジ・ラムバンなどを所有してきた経緯を有する。
それに映画好きなのも変わらずで、カーアクションの中でもポリスカーが登場する映画をとくに見る様になり、そしてそれは映画だけではなくテレビドラマにも波及した結果、今度はポリスカーに乗ろうと決意し、アメリカで実際に使用されていたフォード・クラウンビクトリア・ポリスインターセプターを2016年に購入してしまった。ポリスカーと一口に言っても車種は幅広い。
彼が購入したクラウンビクトリアを始め、シボレーからはインパラやカプリス、ダッジからはイントレピッドやチャージャーなど、そのほかにも管轄や目的ごとにコルベットなどのスポーツカーや、タホやエクスプローラーなどのSUV、それにピックアップトラックがベースのものもあり、どれをセレクトするか迷ってしまいそうだが、彼は「V8・FR・ラダーフレームという昔ながらの仕様」を軸に、アメ車らしさを残す最後の個体がクラウンビクトリアであるとして決めたのだった。
実際に使われていた車両とはいえ、その面影を残す装備は前席と後席を区切るパーテーションと合成樹脂で成形された被疑者を乗せる硬いリアシート、それにガンスポットライト程度。その状態からリアルなポリスカーのシルエットを取り戻すべく着手を開始。だがここでも頭を悩ませる。何しろポリスカーは日本とは異なり、州によってデザインが違うからだ。中でも人気が高いのはやはり白と黒で色分けされたロサンゼルス市警のデザイン。映画でよく目にするためなじみ深い。
そのため彼も最初はこの白黒バージョンでアレンジしていたのだが、アメリカのドラマ「FIVE‐O」に登場したホノルル警察バージョンを目にした途端、突如方針転換して仕様変更。白黒だったボディを真っ白にし、ルーフのライトバーも新たに取り寄せて装着。そして最後にボディの周囲にステッカーを張り巡らせて理想とする姿へと変貌。乗れば気分はまさに〝FIVE‐O〟を堪能できる。
フロントグリルはポリスカーでもオリジナルのままという場合もあるが、ホノルル警察仕様に合わせてハニカム形状のフロントグリルをブラックアウト。室内から操作できるスポットライトは運転席側をLEDに。助手席側も交換予定。サイドミラーにはWHELENのミラービームを装備。
ルーフのライトバーはWHELEN製。アメリカンポリスカーの警告灯はレッド×ブルーだが、ホノルル警察はブルー×ホワイトの組み合わせということで、取り寄せて装着している。
飾る必要のない警察車両のホイールはやっぱりスチールということで、純正ホイールからスチールホイールへと履き替えている。ボディの周囲に施されている警察車両の証も、実車を見ながら忠実に再現。データを自身で作り、業者にオーダーして製作。
このポリスインターセプターに搭載されているエンジンは250hp を出力する4.6ℓV8。エアインテークやラジエーターホースといった補器類に専用品が用いられているが、基本的には標準モデルと同じ仕様である。
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ポリスカーのインテリアには、モニターやパソコン、カメラ、無線など、各種装備が仕込まれているのを映画で目にした人も多いことだろう。オーナーもギッシリとデバイスが満載されたポリスカーの姿に魅了され、エクステリアだけでなくインテリアにもリアルさを求めた。一見すると宙に浮いた感じにも見えるキーボードをはじめとするパソコンはHAVIS製を採用しており、サイレンはフェデラルシグナル、ドライブレコーダーはカスタムシグナルなど、実際にポリスカーに採用しているメーカーのものを取り寄せて装着。データをすべてトランクに設置したユニットで記録。そしてルーフにはモデルガンをセットしてギミックに溢れた仕上がり。
@7091.hooker & @amachiyan3
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PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2020年 12月号掲載
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