追い求めて辿り着いた集大成こそ、紹介する67年型シェベルSS
より高年式、マイナーチェンジ前よりも最新モデルを好むのが一般的な日本のクルマ事情ではあるが、その逆を行くのもアメ車乗りたちの醍醐味。紹介するジョージさんが追い求めて辿り着いた集大成こそ、紹介する67年型シェベルSSである。
複数台アメ車を乗り継いだ後に辿り着いた新境地
THE VINTAGE
1967 Chevrolet Chevele SS
街中からハイウェイまで快適に乗れるプロツーリング
紹介するジョージさんは兵庫県在住。10年ほど前に2ドアSUV特集を組んだ際、神戸の突堤で取材した「ハーバークルー」のメンバーだが、愛用するエクスペディションが4枚ドアだったためにお蔵入り。その後、長い時を経て本誌に登場することとなった。
乗り換えたキッカケは、その当時のメンバーたちが挙ってビンテージモデルに乗り始めたこと。当時2ドアタホに乗っていた仲間が4枚ドアのインパラやシェベルワゴンに乗る姿を見て一旦アメ車から離れてプラドに乗っていた彼が、一念発起してシェベル購入を決意。買うならAボディのクォーターラインが美しい67モデルとこだわって、東海カーズでお目当ての個体をゲットしたのが今から約2年前の話。
やっと60年代のビンテージモデルで揃ったなと思った矢先、4枚ドアのインパラはフォックスマスタングに、そしてシェベルワゴンは70年代のGMC・ジミーへと乗り変えてしまったが、元々2ドア乗り主体の中でエクスペディションに乗っていた彼にしてみれば、愛用するクルマが何であれ、お互いの個性を尊重していくことの方が大事と大人な姿勢。
当時20代だった彼らもアラフォー世代となったことで愛車選びやスタイリングにも磨きがかかり、研ぎ澄まされてきた印象で、オリジナルの良さを崩さない範囲でプロツーリング仕様にこだわっており、17インチでタイヤの厚みを残す履きこなしや、アルミラジエターに電動ファンでオーバーヒート対策を施し、バイナルトップの影響を受けて灼熱と化す車内はビンテージエアーでスマートに冷却するなど、旧車にありがちなネガティブな部分を払拭。一生モノと言うにはまだ若いかもしれないが、それ相応の価値ある一台を手にすることで、新境地を切り開いたと言えるだろう。
フロントのSSエンブレムは69年型カマロ用の角度を補正して流用。同年代のカマロに搭載される350が搭載されているので、ある意味エンブレムでリンクするツウ好みなアレンジ。アメリカンレーシングのデイジーは17インチでフロント8.5J(245/45R17)、リア9.5J(275/40R17) をセット。控えめなローダウンと低扁平になり過ぎないように配慮したタイヤの履きこなしがジェントル!
396ビッグブロックを搭載するシェベルSSだが、この個体は60年代のカマロに搭載される350エンジンに換装。カムが入っていてアルミラジエターや電動ツィンファン、ビンテージエアーによるアップデート済で旧車特有のトラブルを払拭。プーリー周りも手が加わっており、毎週走らせてグッドコンディションを維持している。
ベンチコラムとは異なるフロアAT にバケットタイプのインテリアがSSの証。ステアリングは艶有ウッドの細いステアリングから艶無のウッドステアリングへ換装。フロアマットは68年式の純正品を流用する。
PHOTO&TEXT:石井秋良
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