追い求めて辿り着いた集大成こそ、紹介する67年型シェベルSS

クーペ

ビンテージ

シボレー

アメマガ2022年4月号

THE VINTAGE

シェベルSS

より高年式、マイナーチェンジ前よりも最新モデルを好むのが一般的な日本のクルマ事情ではあるが、その逆を行くのもアメ車乗りたちの醍醐味。紹介するジョージさんが追い求めて辿り着いた集大成こそ、紹介する67年型シェベルSSである。

複数台アメ車を乗り継いだ後に辿り着いた新境地

THE VINTAGE


1967 Chevrolet Chevele SS

街中からハイウェイまで快適に乗れるプロツーリング

紹介するジョージさんは兵庫県在住。10年ほど前に2ドアSUV特集を組んだ際、神戸の突堤で取材した「ハーバークルー」のメンバーだが、愛用するエクスペディションが4枚ドアだったためにお蔵入り。その後、長い時を経て本誌に登場することとなった。

 

乗り換えたキッカケは、その当時のメンバーたちが挙ってビンテージモデルに乗り始めたこと。当時2ドアタホに乗っていた仲間が4枚ドアのインパラやシェベルワゴンに乗る姿を見て一旦アメ車から離れてプラドに乗っていた彼が、一念発起してシェベル購入を決意。買うならAボディのクォーターラインが美しい67モデルとこだわって、東海カーズでお目当ての個体をゲットしたのが今から約2年前の話。

やっと60年代のビンテージモデルで揃ったなと思った矢先、4枚ドアのインパラはフォックスマスタングに、そしてシェベルワゴンは70年代のGMC・ジミーへと乗り変えてしまったが、元々2ドア乗り主体の中でエクスペディションに乗っていた彼にしてみれば、愛用するクルマが何であれ、お互いの個性を尊重していくことの方が大事と大人な姿勢。

 

当時20代だった彼らもアラフォー世代となったことで愛車選びやスタイリングにも磨きがかかり、研ぎ澄まされてきた印象で、オリジナルの良さを崩さない範囲でプロツーリング仕様にこだわっており、17インチでタイヤの厚みを残す履きこなしや、アルミラジエターに電動ファンでオーバーヒート対策を施し、バイナルトップの影響を受けて灼熱と化す車内はビンテージエアーでスマートに冷却するなど、旧車にありがちなネガティブな部分を払拭。一生モノと言うにはまだ若いかもしれないが、それ相応の価値ある一台を手にすることで、新境地を切り開いたと言えるだろう。

フロントのSSエンブレムは69年型カマロ用の角度を補正して流用。同年代のカマロに搭載される350が搭載されているので、ある意味エンブレムでリンクするツウ好みなアレンジ。アメリカンレーシングのデイジーは17インチでフロント8.5J(245/45R17)、リア9.5J(275/40R17) をセット。控えめなローダウンと低扁平になり過ぎないように配慮したタイヤの履きこなしがジェントル!

396ビッグブロックを搭載するシェベルSSだが、この個体は60年代のカマロに搭載される350エンジンに換装。カムが入っていてアルミラジエターや電動ツィンファン、ビンテージエアーによるアップデート済で旧車特有のトラブルを払拭。プーリー周りも手が加わっており、毎週走らせてグッドコンディションを維持している。

ベンチコラムとは異なるフロアAT にバケットタイプのインテリアがSSの証。ステアリングは艶有ウッドの細いステアリングから艶無のウッドステアリングへ換装。フロアマットは68年式の純正品を流用する。


PHOTO&TEXT:石井秋良

アメ車マガジン 2022年4月号掲載


関連記事

RELATED


オーナーのシボレー210はわざと錆を誇張したり、壊れていないところに手を加えたりしない

クルマとファッション、音楽は切っても切り離せない存在だ。音楽からクルマへ入る人もいれば、ファッションからクルマへ辿り着く人も。カーカルチャーはライフスタイルを映し出す鏡として大きな役割を担い、逆もまた然りである。

SNSで見つけた赤いスクエアボディのサバーバンに惚れて即決!

クルマとの出会いは一期一会。何気ないスマホの画面からでも〝ビビッ〟と来たらそれも運命。直感と個性を大切にするオーナーの意外な職業とクルマのギャップ! こうあるべきといったイメージを押し付けること自体がナンセンスだ。

ベルエアを手に入れて10年、50’Sの魔法にかかったきっかけとは?

クルマを通じてその年代の音楽やファッションに興味を持つことは割と多い。だけど何もかもがその年代色に染まるなんてことはかなりレア。紹介するオーナーは夫婦揃ってロカビリー!ファッションからカルチャーまでフィフティーズの虜に!

ビンテージの醍醐味の一つは、コツコツ仕上げていく過程も楽しむこと。

長い歴史を誇り、アメ車ビンテージの中でもポピュラーな存在と言っていいフォード・マスタング。フルレストアされたモデルも多く存在するが、ビンテージの醍醐味の一つは、自分でコツコツ仕上げていく過程も楽しむこと。紹介する66年型マスタングは、そんな楽しみが残された一台だ。

【シェビーⅡノバ】製作途中のまま10年間寝かせていた車両を1年かけて蘇生

旧車道楽とは面白いもので、長い間放置していた個体が原石の様に映ることも多々ある。手つかずのまま放置され続けた個体は、目覚めるキッカケを静かに待ちわびていたかの様に再び息吹を吹き込み、颯爽と駆け抜ける。

 

最新記事


2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2024/07/24

アニメを見て惚れたマスタング、今では押しも押されぬ爆速女子へ

クーペ

フォード

名探偵コナンに登場したマスタングに惹かれてカーボックスを訪れたオーナーさん。一番ド派手なエレノア仕様を選び、チャレンジャー・ヘルキャットに乗る旦那様は走りで負けたくないライバルだ。

2024/07/23

仮契約までしたけどLBスタイルに惚れて変更【ダッジチャレンジャー】

クーペ

ダッジ

過去2回、LBワークスで武装したチャレンジャーに乗ってアメマガ主催イベントamZに参加したみっちさん。軽自動車が長年の愛車だった彼女が、初めてのアメ車としてチャレンジャーを手にするストーリーとは。

ランキング


2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger