ロードランナーのデカールがキャッチーとして人気のモデル。

もはや日本で、販売中のプリマス・ロードランナーと出会うことは無いに等しい。今や世にあるロードランナーの多くは、コレクションとして保管されていることだろう。
出会いは一期一会、この機会を見逃すな!
1970 PLYMOUTH ROAD RUNNER
日本でもアメリカでも、アメリカンビンテージの価格の上昇は凄まじい。その車両価格が、必ずしも人気を表す指標ではないが、シボレーでもフォードでもなく、やはりモパーの高値は群を抜く。その代表的モデルが、ビンテージファンでなくても名前は知っているだろう、プリマス・ロードランナーだ。
60年代に起きたマッスルカーブームでは、各メーカーが次々とハイパフォーマンスモデルをリリースし、クライスラーもハイスペックモデルを投入。しかしそれでも、GMやフォードの過激モデルに対抗できず、クライスラーは大きく水をあけられてしまう。
そこで開発に着手したのが、ブームの中心は富裕層ではなく「若い世代」とニーズを改め、豪華装備などを極力排除した「廉価モデル」。ブランドは、クライスラーの下級ブランドであるプリマスにすることで、徹底的に価格を抑える作戦だ。
そのプリマスの、ハイパフォーマンスモデルがGTXなのだが、前述したように豪華・快適装備を外し、当時若い世代で人気の高かったワーナーブラザーズのキャラクター「ロードランナー」の名前を、多額の使用料を払ってまでして付けられた。ホーンは、キャラクター同様に「Beep!、Beep!」と鳴るギミック付き。そしてその甲斐あって、ロードランナーは68年の登場から大ヒット。
今回撮影した70年型は、初代モデルの最終年型にあたり、ロードランナーのデカールがキャッチーとして人気のモデル。ただし撮影モデルは、ボディサイドのダストレールのデカールがフロントフェンダーだけに残されている状態だ。
搭載するエンジンはオリジナルオプションの440 +6バレル。ショップに入庫してバッテリー交換だけは行なったようだが、一発始動で撮影中は問題なく走行できた。シートや天井はレッドの本革で張り替え済み。オリジナルに拘ったブラックシートもいいが、ボディ同色レッドもインパクトがあって見栄えがイイ。
アズールモータリングの代表や、工場長といったスタッフがビンテージの所有歴もあり、ビンテージを所有する心構えやメンテナンス経験も豊富なので、このロードランナーで初めてのビンテージデビューも安心だ。とはいえ、ロードランナーを探しているユーザーは世界中に多く、正直あまり悩んでいる暇はない。
現に、撮影が決まってからも問い合わせが複数あったそうだ。もしかしたら、この記事が出る頃にはオーナーが決まっているかもしれないが、販売中の可能性もなくはない。ビンテージとの出会いは、まさに一期一会だ。
70年型のロードランナーは今回の2ドアクーペの他に、2ドアピラードクーペ、コンバーチブルがラインナップ。初代モデルの68~70年ではマイナーチェンジを繰り返しているので、年式によって外観デザインが違うのも、マニア心をくすぐる。しかし、年式指定買いは今となっては難しいだろう。
ホイールはモパーロードホイールの15インチ。タイヤは定番のBFグットリッチ225/70R15。
スタンダードエンジンは383スーパーコマンドだが、撮影車両のエンジンは69年に登場したオプションの440 +6バレル。最高出力は395hpにも達する。




車内を細かく見る前に、とりあえず押したくなるのがホーンだ。これぞロードランナー。シートはボディ同色のレッドレザーシート。天井も同様に張り替えられている。オリジナルに追加しているのは、社外オーディオデッキ、追加油温・水温計ぐらいだ。
AZZURRE MOTORING アメリカンショールーム
TEL:0562-95-1118
http://azzurre-motoring.com
Photo&Text:相馬一丈
アメ車マガジン 2023年1月号掲載
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