インパラのニュースタンダードに着目せよ!/シェベルSSのバッチは付かずとも、SSを上回る

1965 Chevrolet Impala
1970 Chevrolet Chevelle
THE VINTAGE ビンテージアメリカンの魅力
1965 Chevrolet Impala / 1970 Chevrolet Chevelle
フロント18インチ、リア20インチのビレットスペシャリティーズを、絶妙なロワード具合で履きこなす65年型インパラ。リアフェンダーが大きくビレットに被るシルエットは、その筋のショーでも注目の的。しかし、見た目とは裏腹に非常に乗りやすいところがこの車両の魅力。ZZ4エンジンにTH350ATの組み合わせで3速ではあるが、トルクフルでストレスフリーに街中からハイウェイまでを制覇。クラシックオートエアーの恩恵を受けて真夏でも寒いくらい冷えるエアコンや、前後ウィルウッド14インチローター&フロント6ポッド、リア4ポッドブレーキキャリパーのお蔭でブレーキのタッチはもはや欧州車レベルだ。
そしてもう一方は、350エンジンにヘッドチューンを施し、3速ATから強化700R4ATへ変更。ノンスリデフに強化アクスルシャフト、550hpに対応するアルミ強化プロペラシャフトを導入。デトロイトスピードアーム、スピンドル、スウェイバーのフロントに対してリアにライドテックアームを採用しハイパフォーマンス化によって伴う不安要素を見事払拭する70年型シェベル。14インチウィルウッドブレーキローターや6ポッドキャリパーもインストール済みで、走る、止まる、曲がるのすべてにおいて一切の妥協を辞さない姿勢が肝となる。ブループリント社の455hp、383エンジンへは、近日中に積み替え予定とのこと。
1965 Chevrolet Impala
魅惑のロワードフォルム、終始安定した走りの理想形
古いクルマゆえに何かと不安が付きまとうイメージが強いヴィンテージカー。しかしそんな不安や緊張感を払拭し、終始快適仕様に徹した欲張りな仕様が、ここで紹介するインパラだ。
フルオリジナルでもローライダーでもないインパラのニュースタンダードに着目せよ!
1958年にベルエアの上級グレードとして誕生したインパラ。1965年型はボディサイドモールディングやリアカバートリム、3連ユニットテールが装着され、モダンで斬新なデザインへと変更を受けており、年間販売台数記録80万台を超えたベストセラーモデル。また同年から4ドアのカプリスパッケージが登場し、大きな転換期を迎えている。翌年66年にはカプリスクーペが登場したことでフルサイズクーペの選択肢が増した。現在でも根強いファンが多いアメリカンビンテージカーである。
ZZ4エンジンを搭載しTH350のオートマティックトランスミッションで駆動するインパラ。ヴィンテージエアーではなく、クラシックオートエアーのエアコンシステムを搭載しており、撮影時の炎天下でも寒いくらい良く冷える快適な空調システムへとアップデート。
トレンドに左右されないトラディッショナルな5スポークデザインのビレットスペシャリティーホイールはフロント18インチ、リア20インチ。リアフェンダーがホイールを覆う勢いで潔くロワードフォルムに徹することで65インパラのフォルム造型美を際立たせる。走りに特化した姿勢は制動力強化も抜かりなく、ウィルウッドのブレーキシステムを導入済み。
ステアリングはバドニックを採用。ブラックレザーのベンチはフカフカで柔らかい当時らしい座り心地で硬めの足を良い意味で補う。ビレットスペシャリティーズトゥルートラックやアルミラジエターなど、見た目にも美しい。
1970 Chevrolet Chevelle
アウトローでワイルドなシェベル丸目4灯の最終モデル
「いつかはシェベル!」を掲げるビンテージフリークは多く、マッスルカーシーンにおいては王道的存在感を放つシェベル。その中でも丸目4灯最終モデルの70年型は格別の味わいを持つ。
SSのバッチは付かずとも、SSを上回るハイパフォーマンスで魅了するスパルタン仕様
1963年に64年モデルとして誕生したシェベル。以降67年型まで初代モデルがリリースされ68年型から第二世代へ。70年型よりリアウィンドーとピラー形状の変更を受けて後方視界を改善。その後71年型にはアイコンだった丸目4灯から丸目2灯となる。劇中車としても度々登場しており、アウトローではトム・クルーズが、そしてワイルドスピードのドミニクが愛用していたことも記憶に新しく、それぞれ70年型の丸目4灯を起用しており、いかに70年型が特別な存在だったかを物語る。
350エンジンをベースにヘッドチューンを施してホーリーキャブレターへ換装、強化700R4ATを導入するシェベル。ビンテージエアーフロントランナーにビークールアルミラジエターなどクーリング対策も万全となり、ヘダースからサイド出しのワンオフマフラーが奏でるド迫力サウンドが唸る。現在マフラーは少し控え目な物へと作り変えているとか。
デトロイトスピードアーム、スピンドル、スウェイバー、リアのライドテックアーム、アルミ強化プロペラシャフトに強化アクスルシャフト、ノンスリデフなど走りに徹した足回り。リムエンドのみクロームを残したビレットスペシャリティーズ18インチによる赤×黒とクロームのアクセントによるコントラストも刺激的。
スパルコのバケットシートやB&Mシフター、ビレットスペシャリティーズのステアリングなどインテリアの造りこみもスパルタンに徹する。キッカーオーディオをスマートにインストールしている点も特筆物だ。
取材協力:ナオキモータービルド
HP:http://www.naoki-mb.co.jp/PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2021年 1月号掲載
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