ウシオオートモービルに入庫して大幅に進化した令和版フェイススワップを敢行!
仕事にプライベートに毎日フル稼働するGMC・ジミー!
EVERYDAY with GMC JIMMY
仕事にプライベートに毎日フル稼働するGMC・ジミー!
地肌を半分露わにした姿、もはや昭和のヒーロー物「キカイダ―」の如し(笑)
39インチ履きで2.1mの壁、超える? 超えない? どーすんのって盛り上がった前回。実はそれ以前に問題を抱えつつも、修復よりもリフトアップを優先してしまったのが本音。実は10年以上前に作業したフェイススワップが寿命を迎えてご臨終寸前…。そこで再びウシオオートモービルに入庫して大幅に進化した令和版フェイススワップを敢行!
K5でなく、あえてのGMCジミー【1987 GMC JIMMY】
ファイバー成型では限界、怒涛の再生計画を一挙公開
石井のジミーと言えば最終モデルなのに丸目ってところがアイコン。実はこの丸目製作を行なった時は29歳。今や40代となった年齢からも想像がつくとおり、17年間ジミーを愛用している。「まだ乗ってるん!?」「しぶといなー」「好っきゃなー?」なんて言葉も、もはや褒め言葉。多少のガタはご愛嬌とさえ感じてしまう程沼にハマってしまった。しかしさすがにボンネットのおハゲちゃんだけはどうにかしたい。

頭髪のハゲと同レベル、いやそれ以上にお恥ずかしい。幸い車高が高いので、対向車からもボンネットは見えにくく「ハゲとるやないかーい」的なツッコミはなかったものの、運転席から見えるその姿は、昭和のヒーロー「キカイダ―」そのもの(笑)。
さすがにこれはヤバいなと長期入院覚悟でウシオオートモービルに相談。飯塚氏は開口一番に「昔の自分はここまでしかできなかったんやな…」と嘆いたが、僕にとってみれば「いや、普通に考えてここまでやってくれるお店ないっす!」と改めて感謝。ボンネットの造型やグリルのフィッティングは既に大満足だったので、そのまま補修かと思いきや、「もっかい1から作らせてくれへん?今やったらもっと良いのができる!」と頼もしいお言葉。心の中で「知ってるー?」と叫びつつも常に忙しそうなので遠慮してきたが、いい機会なので心機一転お色直しを決行!

ラジエターサポートの全幅も異なり、グリル形状に合わせてボンネット先端が大きく張り出したデザインとなる70年代後期の丸目フェイス。当時はウレタンとFRPで成型したものの、エンジンの熱でファイバーと鉄が分離。クラックした箇所からジワジワと侵食されて鉄板の錆びが長い年月を経て進行。
新たに作ったファイバー部分の裏側を見るとその原因は明白。ちょっと塗装が割れたくらい大丈夫! と放置しすぎたことで結果的に取り返しがつかないレベルまで腐食させてしまった。

ボンネットを全剥ぎして裏骨も外して、錆びている部分をすべてリフレッシュ。純正のボンネットからナチュラルなアールで先端の板を曲げて合わせていく。
付き合わせ溶接のためボンネットを切断してピンで固定し、両サイドとセンター部分の左右4つに下側の板の5枚を溶接して繋ぎ合わせる。重ねて溶接するとブラインドが発生し、後で叩いて修復も難しいのでTIG溶接による付き合わせ溶接。
むしろウシオオートモービルではこれがスタンダード。その後ハンマー&ドーリーで狙いどおりのアールへ調整して整える。

ボンネット補修に続き、車体側のモール取り付け部分も再び製作。L曲げの板に穴が開いた単純構造に見えて緩いカーブがかかったデザインのため、ワンピースで製作するのは至難の技。そこを松本氏がレーザーで切ってブレーキで追って、クラフトフォーマーでナチュラルなカーブラインを造型。

ボンネットを開けなきゃ見えない部分で、開けて見ても溶接跡すらないレベルなので気づいてもらえないかも。そんな部分までこだわりを持って作業に勤しんでくれるウシオオートモービルの2人に感謝感激雨嵐。で実際、言われるまでホントに気が付きませんでした(笑)。

実は前回記事で39インチ履きした時もローアングルに徹して、ボンネットが見えない様に工夫を凝らして撮影していたが、やっと堂々と自然な目線で撮れるようになった。
買ってポン付けでどうにかなる代物ではなく完全ワンオフ一点物だけに、お値段を聞かれると引かれる金額かも知れないが、カスタムってそもそもこうしたこだわりの連鎖であって、市販品に換装する作業はドレスアップじゃないかなと。何だかクルマもアングルも、言動までもすべて上から目線ですみません(笑)。
でも今回改めてそう感じた次第であり、ショップ(作る側)とオーナー(乗る側)の信頼感ってすごく大事だなと確信した。

自粛期間中の「おうち時間」を利用してリフレッシュ!GMCジミー
一筋縄ではいかないリフトアップ計画が一歩前進!GMC・ジミー!
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USHIO AUTOMOBILE【ウシオオートモービル】
大阪府八尾市上尾町2-26TEL:072-996-1484
HP:http://www.ushio-2k.com
営業時間:AM10:30~PM8:30
定休日:水曜日
CADデータと同様のカットが可能になるCNCレーザー加工機を新たに導入し、鉄やステンレス、アルミの複雑な加工に対応。写真のグラマンの様に、純正と見分けがつかないレベルのフェンダーを再生することも可能だ。正確な切断を短時間で行なえて、データを保存しておけば数年先に万が一補修が必要になった際もまったく同じ物をカット可能。職人の巧みな技術も去ることながら、本国ではスタンダードとなりつつある最新機器の導入も抜かりない。



Photo &Text:石井秋良
アメ車マガジン 2021年 11月号掲載
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