フルモデルチェンジしたタンドラは常識を覆す快適な乗り味を手に入れている

IMPRESSION
2022 TOYOTA TUNDRA 1794 Edition TRD Off-Road Package
IMPRESSION 2022 TOYOTA TUNDRA 1794 Edition TRD Off-Road Package
ピックアップトラックの常識を覆す洗練された走り
タフネスさを優先するあまり、その乗り味はどうしてもゴツゴツとしたイメージの強かったピックアップトラック。そのイメージはタンドラも例外ではなかったが、フルモデルチェンジした現行モデルはこれまでの常識を覆す快適な乗り味を手に入れている。

見た目のゴツさとは裏腹に乗り味は至ってしなやかな
2022年に入ってからというもの続々と新型モデルが日本へとインポートされている。その中には15年振りにフルモデルチェンジして第三世代へと生まれ変わり、新たなステージを切り拓くべくデビューを果たしたUSトヨタのタンドラの姿もあった。この車両は2004年からタンドラを始めとした数多くのUSトヨタを輸入してきた実績を持つ、東京都小平市に店舗を構えるコロンブスが最速で日本に持ち込んだ車両だった。そして輸入第一号のタンドラはというと、 アメ車マガジン(2022年5月号) で取材し、じっくりと新型モデルを検証させてもらった次第。
これはタンドラに限らないが、ここ最近の傾向としては、環境問題に配慮したエンジンのダウンサイジング化が図られている。もちろんそれはアメリカ市場向けのモデルも例外ではなく、その流れに乗って新型モデルが搭載するパワーユニットはスケールダウンしつつもこれまでと変わらない、いやこれまで以上の出力をいかに発揮させるかに注力していることが見て取れる。
タンドラもこれまでは至極当然のようにV8ユニットをラインナップしていたが、現行モデルからはV8ユニットを廃止し、V6ユニット一本だけに絞って展開しているわけだが、やはり気になるのはその乗り味ではないだろうか。何しろタフに使えることが真骨頂であるはずなのにダウンサイジングして大丈夫なのだろうか…と。
しかし、その不安は走り出してすぐさま解消されてしまった。搭載する3.5LツインターボV6ユニットは、389hpの最高出力と66.3kg-mの最大トルクを発揮。ちなみに旧型は381hpに55.5kg-mでダウンサイジングしても数値は上回っているため、出だしから重量のあるボディをグイグイと加速させる。だがこの感触は力強く押し出すというのではなく、優しく押してくれているといった具合でとても滑らかなのだ。この滑らかさはエンジンだけでなくフルモデルチェンジで見直されたトランスミッション(10速AT)も大きく貢献していることが感じ取れる。何しろアクセルを雑に踏んでも変速していることにまったく気付かないレベル。
そしてピックアップトラックというとリアサスペンションにはリーフスプリングを採用するケースがほとんど。それは重量物を積むということを前提としていたからだが、現行モデルのタンドラはマルチリンク式コイルスプリングを採用することでトラックライクな乗り味を改善。その効果はてき面で、高速道路走行時でも凹凸をしなやかにいなし、軽快なハンドリングと優れた直進安定性を両立している。 いずれにしても感覚はもはやピックアップトラックではなく上質なセダンといったテイスト。ドライバー以外は、乗れば心地良い睡眠へと誘われることだろう。

撮影車両のグレードは1794エディション。通常であればクロームタイプのグリルがスタンダードなのだが、現車はTRDオフロードパッケージを選択したことで、ハニカムスタイルの専用グリルをあしらうとともに、ホイールもTRDバージョンのマットブラック20インチを装備する。ベッドサイドにはその証であるデカールがセットされる。
テールゲートは運転席側テールライトに設けられたスイッチにて開けることが可能。ベッドサイドには120V/400Wの電源ポートを装備。
キャビン後方のガラスは一部が開閉するタイプではなく全面を開閉することができる。さらにルーフもフロントからリアシートにかけて全面を覆うパノラミックルーフを備えており開放感も抜群。これらの操作はフロント上部のスイッチで行なうことができる。
3.5LのV6ガソリンツインターボユニットを搭載する現行タンドラ。可変バルタイ&リフト機構を吸排気に備えるデュアルVVTiシステムや、高温となる圧縮エアを冷却し酸素密度を向上させる水冷式インタークーラーを採用。先代の5.7LのV8ユニットを上回る、最大出力389hp と最大トルク66.3kg-m を発揮。サスペンションにはTRDオフロードパッケージ専用のビルシュタインショック、スキッドプレートなどを装備している。
アメリカンウォールナットにソフトタッチのブラウンレザーをあしらうのが1794エディションならではの仕立て。インパネ中央には14インチのタッチスクリーンをインストールされ、アップルカープレイにアンドロイドオートの搭載はもちろんのこと、スマホを繋げばGoogleナビやハンズフリーフォン、AppleMusicなどのアプリを使用することが可能。さらにはボディ全方位に配置されたカメラの映像を映し出すことができるため、運転席から見えづらい右側の状態も映し出すことができるため、まさに死角なしという具合。
インテリアは1794エディション専用のブラウンカラーでコーディネイトされ、プレミアムコントラストステッチのレザートリムシートを装備。運転席は10ウェイパワーアジャスタブルで、助手席は4ウェイパワーアジャスタブルランバーサポート付き。リアシートのサイドガラスにはサンシェードを備えるとともに座面を上げるとストレージボックスがあり、たっぷりと荷物を収納できるため重宝する。

HP: https://columbus-japan.com/index.aspx
PHOTO:有馬孝則、編集部
TEXT:編集部
アメ車マガジン 2022年 9月号掲載
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