エレノアらしい“走り”を磨き上げた珠玉の一台、シェルビーマスタング

クラシカルでオシャレなルックスと往年のアメリカ車ならではの深い味わいを求めて、ビンテージカーに注目する人が増えてきている。憧れだったあのクルマも、現代の技術を駆使すれば、気軽に、毎日乗れるクルマとしての信頼性を持っている。世代によって異なる個性を解説しながら、カジュアルに乗れるビンテージカーを紹介していこう。
AMERICAN DAILY VINTAGE CAR
気軽に、楽しく、毎日乗れるアメリカンビンテージカー
フルカスタムで実現した、究極的なビンテージ・エレノア
レース活動が活発になり、ハイパフォーマンスカーが次々に登場。大排気量エンジンなどメカニズムにおいても大きな進化を遂げ、後年の「マッスルカーブーム」を作るきっかけとなった時代でもある。
1968y フォード・シェルビー マスタング GT500 Eleanor
エレノアらしい“走り”を磨き上げた珠玉の1台
AZRことアズールモータリングが持つビンテージカーは、目と心を奪われるものばかりだ。希少なエレノアが持つスポーティな個性を生かしつつ、さらに洗練させたような掘り出し物。飾り物ではない、乗って楽しめるビンテージアメリカンを究極的に追求すればきっとこうなる。
フルカスタムで実現した 究極的なビンテージ・エレノア
ビンテージカーの楽しみ方は様々あるが、とくにエレノアのような走りに特化したスペシャリティモデルの場合、乗ったときの快感を追求したいというのが本能だろう。 佇まいや雰囲気を残しつつ、カリカリにチューニングされたこの1台は、AZRがある顧客から入手したものだという。
カスタムの詳細などは前オーナーの判断によるものだろうが、しかしそれを把握したAZRがサポートするという事実は極めて頼もしい。 このエレノアは、エーデルブロックやMSDといった、信頼性の高いアフターパーツを多数採用している。
ボディは全塗装が施され、エンジンルームの隅々に至るまでヤレは見当たらない。いわば「非の打ち所のないクルマ」である。販売されていること自体が奇跡とも表現できる掘り出し物である。 足回りはKONIのショック。ブレーキはハイパフォーマンスなBAER。エキマニ、マフラーも社外品でバージョンアップ。
4.9Lの302エンジンを搭載。エーデルブロックのインマニ、アルミシリンダーヘッド、キャブレター、MSD点火システム一式、アルミのエアクリ、ラジエター、バルブカバーなど現代の技術で整えられた逸品。
足回りはKONIのショック。ブレーキはハイパフォーマンスなBAER。エキマニ、マフラーも社外品でバージョンアップ。
タコ、スピード、油圧、水温、フューエルの各メーターはAutometerで視認性に優れる。
MTのように見えるシフトレバーだが実は3AT。キッカーのスピーカーをドアにインストール。ロールバーがあり剛性を高めてある。
17インチのアルミに、245/45ZR17のRAPTORタイヤをインストール。車内後方にはキッカーのスピーカーが仕込んである。ETC、ナビ、エアコンシステムなど快適系も充実。
フォード自社内で開発された ハイパフォーマンスカー
シェルビー・アメリカンは1967年度中にその「コブラ」という商標をフォードに売却、市販モデルの生産からは1967年型を最後に手を引くこととなった。すなわち翌1968年型からのシェルビーGTはフォード自社内に新しく設けられた部署において、開発からデザイン、スペシャルパーツの製作まで行われるようになったということである。
とはいえスモールブロックエンジンを搭載したGT350、ビッグブロックエンジンを搭載したGT500というラインナップ自体に変化はなく、スペシャルパーツの量産体制が強化されたこともあり、ほぼ街中で見掛けることなど不可能だった初代GT350と比較すると、より身近なハイパフォーマンスカーになったことは間違いない。
1968年型は前年からのモデルに対して内外装共に一新されており、GT500にKR(キング・オブ・ザ・ロードの略)というレアモデルもあった。シェルビーGTは翌1969年に大きなモデルチェンジを実施し1970年まで生産された。
取材車はショールームでなく別の場所に保管される日が多いため、実車を見たい場合は事前に連絡してから行きたい。必見の完成度を持つ注目の1台だ。
■取材協力:アズールモータリング
所在地:愛知県豊明市沓掛町小廻間16-422
TEL:0562-95-0678
http://azzurre-motoring.com/
■Text & Photos|アメリカンビンテージカーマガジン
アメリカンビンテージカーマガジン VOL.4
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