ポンティアックとプリマス、キャラの濃い「P」にズームイン!

ポンティアック

プリマス

アメマガ2020年1月号

INITIAL P

INITIAL P PONTIAC & PLYMOUTH


PONTIAC & PLYMOUTH

他の国のブランドを比べると、全体的にアイデンティティがはっきりしていてキャラクターの濃いアメリカ車。そんな中でも、特にGMのポンティアックと、クライスラーのプリマスはキャラが濃い。今回はそんなアメ車らしい2つのブランドからかつて販売されていた名車たちにズームインすることにしよう。

pontiac

ポンティアックは国内ではファイヤーバードに人気が集中しており、一般的にはシボレー・カマロの姉妹車であるだけに、メジャーなシボレーの陰に隠れてマイナーな存在。しかし、革新的な技術やアプローチを独自に採用する点では、GM内で最も先進的なブランド。ブランドとしてのアイデンティティが、各モデルのデザインにも一貫して反映されている辺りには、ブランドとしてのプライドも感じる。それだけに、GM内のブランドでは、最もファンからの支持が高いが、GMの深刻な経営不振を受けて2010年をもって廃止された。

plymouth

そもそもマイナーなMoparにおいて、プリマスはダッジと姉妹車関係にありながらも、最も影の薄い存在。出荷台数においてもワースト級なので、日本への正規輸入はほぼ無し。しかし、ビンテージマッスルにおいては、激レアなコレクタブルカーを象徴するモデルが多く、メジャーどころでは、ワーナー・ブラザースのキャラクターをモデル名にしたロードランナーがお馴染み。PTクルーザーやプロウラーなど、1930年代をトリビュートした斬新なアプローチで話題を呼んだが、89年のイーグルに続いて01年に廃止となっている。

熱量の多いファンが多い「イニシャルP」の2ブランド

自動車が誕生してから、世界中で様々なブランドが誕生~消滅しているが、世界的に見ても、自動車大国のアメリカは最も多くのブランドが存在する。しかし日本には、一部のブランドしか輸入されておらず、正規輸入においては、姉妹車として複数のブランドからラインナップされているモデルなどに関しては、モデル名、ブランド名を、日本独自の組み合わせでリリースするケースも珍しくない。そのためアメリカでの本来のラインナップとは異なる。メディアからの発信情報に頼っていたインターネット普及以前は、その情報にかなり偏りがあったため、アメ車を正しく評価することすらできなかったのである。


しかし、近年では、個人的に欲しい情報に辿り着けるし、アメリカの熱心なファンとも、直接交友が取れるため、アメ車本来の魅力を正確かつ公平に判断できる。したがって、これまでは目にすることの少なかったモデルを個人輸入する人や、ブランドに対するアドバンテージを明確にする熱心なファンも増えている。近年は、世界規模でメーカーの合併が行なわれたり、メーカーを跨いで姉妹車がラインナップされるため、ブランドのアイデンティティが極めて低い。それだけに、旧車においては、1台のモデルの魅力を探求する中で、ブランドのアイデンティティが明確になり、ブランドそのものの魅力に取り憑かれることにもなる。そのため、アメリカでは、各ブランドごとに専門誌が発行されたり、クラブが存在するだけでなく、イベントなども行なわれているのだ。


GM、フォード、クライスラーの3大メーカーで大きく分けるケースが一般的だが、数あるブランド毎で細分化すると、ポンティアックとプリマスの2ブランドには、明確にアドバンテージを見出す熱心なファンが特に多い。


いずれも頭文字が「P」なのは偶然にしても、メーカー内での立ち位置やアプローチ、そして、最終的に消滅してしまった点でも共通している。ポンティアックは、GM内でシボレーと姉妹車関係にあり、プリムマは、クライスラー内でダッジと姉妹車関係を持つ。シボレーも、ダッジも、メーカー内では主力ブランドであり、対してポンティアックとプリマスは、実売台数にしろ、販売店の数でも下回り、脇を固める存在といった印象。


しかし、だからこそ、特定のファンをターゲットとしたアプローチのモデルや、革新的な手法を採用することが多く、それがブランドとしての個性や魅力に繋がっているのだ。インターミディにビッグブロックを搭載して、マッスルカーの礎を確立したり、安価で誰もが入手できるミッドシップスポーツであるフィエロをリリースしたポンティアックにしろ、ドラッグレースにおける頂点であるファニーカーのスポンサーをいち早く始めたり、メーカー純正ストリートロッドであるプロウラーをリリースしたプリマスにしろ、いずれも強烈な個性を放つ唯一無二の存在といえる。


そうしたキャラクターが共通していることもあり、プリマスからポンティアックに乗り継いだり、その逆もまた然り、両方のブランドのファンというケースも珍しくないのだ。今回はそんなキャラの濃いポンティアックとプリマスの名車たちにズームインする。

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PHOTO&TEXT:編集部
アメ車マガジン 2020年 1月号掲載


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