個性的すぎるフロントマスクは多くの人が間違いなく振り返る【ポンティアック グランビル】
ポンティアックの絶頂期であった1970年初頭、上質さとパワフルさを備えてデビューしたグランビル。後に到来するオイルショックに翻弄されてしまうが、フルサイズ&大排気量の輝きは、今も決して色褪せない。
THE VINTAGE
オイルショックの直後だから実現できたクルマと言える!
'71 PONTIAC GRAND VILLE CONVERTIBLE × Grace Cab
ガソリン価格の上昇は、我々ドライバーにとって大きな悩みの1つではある。もちろん自動車メーカーも燃費を改善するなど様々な対策を行っているが、今から半世紀ほど前に発生したオイルショックは、クルマの性能だけでなくサイズにも大きな影響を与えたと言えるだろう。
オイルショック以前は当たり前の様にフルサイズのクルマや様々なマッスルカーが各社からリリースされていた。BIG3はもちろんだが、GMの1ブランドであったポンティアックも70年代という新たな時代を意識させる意味を込めグランビルを投入。それまでの巨大なテールフィンは完全に消えたわけではないが、かなりコンパクトなスタイルへと変貌を遂げる。丸みを帯びたそれまでのクルマたちとは対照的に、非常にシャープで、定規で描いたかの様なスタイリングを採用。その中でもフロントマスクはバンパーがグリルを回避する様な大胆なデザインとなっており、当時のユーザーたちには新時代の「新しさ」を感じたに違いない。
多種多様なアメ車を取り扱う愛知のグレイスキャブでは、新たに最初期型のグランビル・コンバーチブルが入荷。鮮やかなボディカラーに各部のメッキパーツが映え、まさに70年代の華やかなアメリカを想起させられる。
比較的オリジナルをキープしたスタイルだが、ETCやブルートゥースオーディオなど快適性も追求。14インチのホワイトリボンを組み合わせるが、ラジアルタイヤをチョイスするところが、安全性を疎かにしないグレイスキャブの姿勢が伝わってくる様だ。
真っ赤なボディにメックの輝きが非常に美しく、いかにも往年のアメ車らしい雰囲気を醸し出す。とくに前期型は大きなグリルを実現するためにバンパーを下げるなど、コストを度外視したデザインを採用。かなり小ぶりになったが、一応テールフィンは健在と言える。
オリジナルには7.5ℓと6.6ℓの2種類のエンジンを設定しているが、この個体には6.6ℓが搭載されている。
ドライバーを包み込む様なラウンドしたインパネを採用。コラムATを採用するため、乗車定員は6名。油温/水温/電圧の3連メーターは、ビンテージカーの必須アイテム。ちなみにドアパネルの内側にはスピーカーが埋め込まれており、お気に入りのサウンドと共にクルーズできる。
THANKS:Grace Cab
TEL:0568-35-7790
HP:http://gracecab.jp/
PHOTO:浅井岳男
TEXT:空野稜
アメ車マガジン 2023年11月号掲載
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