【コルベットヒストリー①】スポーツカーとしては不十分ながら一定の人気を獲得したC1コルベット

The CORVETTE HISTORY①
1953~1962 C1 CORVETTE
CORVETTE CHRONICLE
The CORVETTE HISTORY①
1953~1962 C1 CORVETTE
欧州のスポーツカーを意識した2シーターのオープンモデルとして53年のデビューした初代C1コルベット。搭載エンジンは直列6気筒で、排気量3.9L、エンジン単体の出力は150hp程度と、総合的な運動性能も含め、スポーツカーとしては不十分だった。量産車では初となるファイバーグラス製のボディは、革新的ながらも、安定したクオリティでの供給が構築できずに不評となったが、オープンカーがステイタスだったこともあり、パーソナルカーとしてのニーズにもマッチして、一定の人気を獲得。
最初のマイナーチェンジでは、283ciのV8エンジンが設定され、1ciに対して1hp(283hp)を達した量産車でもある。58年型では、他のモデル同様に、ヘッドライトには初めて4灯式が採用され、クロームを多用したグリル周辺のデザインも一新し、アメリカらしさと、コルベットとしてのオリジナリティがフォーカスされる。61年からは、リアのデザインがC2コルベットに受け継がれる「ダックテール」で一新。丸型のテールレンズは、以降コルベットを始め、他のシェビーでも伝統的に採用。
実際のセールスでもそうだが、C1コルベットというと、とにかく58以降の後期に人気が集中。クロームを多用したリッチでエレガントなルックスで、フィフティーズアメリカンの象徴的な存在としても定着。メカニズムや、実際の乗り味など、スポーツカーとしては物足りない面もあるが、様々な点で、初代は別格的な人気。そのため、オリジナルに則ってレストアするだけでなく、ハイダラーな予算を投じるハイテックコンバージョンなど、ホットロッドのフィールドでも不動の人気モデルとなっている。
ヨーロッパのスポーツカーを意識しつつも、よりロングノーズ&ショートデッキで膨よかなフォルムにアメリカらしさが溢れる。歯並びの良いクロームグリルはいかにもレイト50's。湾曲したウィンドシールド、コンバーチブルのみでのラインナップはC1コルベットならでは。
大型のスピードメーターをメインに、大小4連装メーターで構成するクラスター&ダッシュは、航空機を思わせる。センタートンネルまで伸びるデッキからシートにかけてのデザインは、レトロにしてモダンな独創的。
設定エンジンは、初期は235ciによる直列6気筒。57年からは283hp を発揮する283ciのV8。61年には327ciが追加。オプションのインジェクションでは360hp を発揮する。リーフサスペンションによるソリッドアクセルという点で、スポーツカーとしては不満を感じるが、その反面、ドラッグレースでの支持は高い。
CHEVROLET Corvette History
コルベットC2【CORVETTE C2 1963〜1967】
独創的かつモダンなスタイリングの美し過ぎるC2
コルベットC3【CORVETTE C3 1968〜1982】
グラマラスなプロポーションが絶対的な魅力のC3
コルベットC4【CORVETTE C4 1984〜1996】
近代的なスポーツカーとして生まれ変わったC4
コルベットC5【CORVETTE C5 1997〜2004】
飛躍的に進歩したメカニズムを搭載したリアルスポーツC5
コルベットC6【CORVETTE C6 2006〜2013】
欧州スーパースポーツに匹敵する性能を確保したC6
コルベットC7【CORVETTE C7 2014〜2019】
コルベットとして最後のFRレイアウトとなったC7
コルベットC8【CORVETTE C8 2020〜】
名実ともにスーパースポーツへと昇華した8thジェネレーション
Photo & Text 石橋秀樹
アメ車マガジン 2020年 8月号掲載
最新記事

2025/06/13
【2008 トヨタ セコイア プラチナム】逆輸入車を代表するプレミアムSUVの大本命
かつては逆輸入車のムック本が発行されるなど一世を風靡した逆輸入車。中でもセコイアは当時のSUVシーンにおいてエスカレードやナビゲーターと肩を並べるプレミアムSUVの大本命だった。

2025/06/06
【フォードマスタングGT】派手さの中に垣間見える、繊細な拘りも見逃せない
日本のカスタム技術をフルに取り入れ、SEMA SHOW出展を果たしたジェットシティのマスタング。その雄姿に触発され、「世界基準」のマスタングに乗るべくジェットにカスタムを依頼したオーナーさん。その全貌が遂に公開された!