コルベットヒストリー⑤【1997~2004 コルベットC5】

クーペ

シボレー

CORVETTE CHRONICLE

The CORVETTE HISTORY

C5コルベット

アメマガ2020年8月号

コルベット

1997~2004 CHEVROLET C5
The CORVETTE HISTORY⑤

CORVETTE CHRONICLE


飛躍的に進歩したメカニズムを搭載したリアルスポーツC5

The CORVETTE HISTORY⑤
1997~2004 CORVETTE C5

12年に渡りラインナップしたC4の流れをくみながらも、曲線を取り入れることでコルベットらしさが追加されたC5。一見しただけだと、正常進化によるマイナーチェンジといった印象ながら、C5はコルベット誕生以来、最も総合的に再設計されている。C4では鋼管フレームとモノコックによるユニフレームだったが、C5では一体成型シャシーを採用。これによって、ボデイ剛性は格段に向上。ホイールベースは短縮し、トレッドは拡張され、アライメントも見直されたことで、旋回性能も操舵安定性も確保。

 

そして、駆動方式は従来のFRながら、トランスアクスルを導入。トルクチューブを介してまったく新しいLS1エンジンに接続し、前後重量配分では50:50の理想数値を実現する。GMスモールブロックの第3世代となるまったく新しいLS1は、エンジンブロックもピストンもアルミニウム製で、高精度な上、軽量化と低重心化を実現。最高出力は345hp、01年には350hpに。点火コイルは各シリンダー毎に個別に備わり、低燃費にも貢献。オートマチックトランスミッションは、4L60E(4速)が引き継がれるが、マニュアルはボルグワーナー製T56(6速)にアップグレード。

コルベットC5、CORVETTE C5 コルベットC5、CORVETTE C5 コルベットC5、CORVETTE C5

追加されたZ06は、405hpと最高出力こそ同等ながら、はるかに軽量で、総合的な運動性能で凌ぐ上に低価格。C4が13年間(84~96)で35万8137台に対し、C5は8年間で24万8715台と、年間平均出荷数では3500台以上も上回る。新たなコンセプトによる飛躍的に進歩したメカニズムは、多くの面でC6とC7に引き継がれているのだ。

コルベットC5、CORVETTE C5 コルベットC5、CORVETTE C5

97年では従来のハッチバッククーペのみだったが、コンバーチブル、さらに、ノッチバックスタイルのリアウィンドーが特徴的な“FRC”こと、フィックスド・ルーフ・クーペが追加。剛性の高さから、最強のZ06は“FRC”のみでラインナップ。

C1の航空機的なダッシュを、よりコックピット感の高いデザインで進化。速度計、回転系の大型メーターの両脇に小型のメーターが4つ並ぶスポーツカー然としたレイアウトがその気にさせる。

主流のスモールブロック327ciには7種設定。パワーでは427ciのビッグブロックが435hpで最強だが、スタンダードな250hp仕様の327ciを4速マニュアルで味わうのがC2の醍醐味。コルベットの伝統となる、横置きリーフスプリングによるリア独立サスペンションが採用される。


PHOTO:石井秋良
TEXT:石橋秀樹
アメ車マガジン 2020年 8月号掲載

最新記事


2024/07/27

キャデラックはいかがでしょう?【キャデラック葛西/シボレー葛西】

ショップ

GMの最高峰モデルに君臨するキャデラック。贅を尽くした高級ブランドというイメージが強いが、大統領専用車に採用されることから「絶対的な信頼性」も重視しているのは言うまでもない。単なるステータスではなく、アメリカの象徴と言えよう。

2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2024/07/24

アニメを見て惚れたマスタング、今では押しも押されぬ爆速女子へ

クーペ

フォード

名探偵コナンに登場したマスタングに惹かれてカーボックスを訪れたオーナーさん。一番ド派手なエレノア仕様を選び、チャレンジャー・ヘルキャットに乗る旦那様は走りで負けたくないライバルだ。

ランキング


2024/07/26

物静かな青年が次第に豹変、マスタングにもっと刺激が欲しい!

クーペ

フォード

燃費が…維持費が…。マッスルカーに憧れを持つも、アメ車へのネガティブな思いが強く決断できずにいたオーナーさん。そんな彼が、彼女の後押しによって購入を決めるのだが、次第にアメリカンマッスルの魔力に染まり豹変していく。「音も見た目も刺激が欲しい!」

2024/07/25

ポストビンテージバンの大本命として人気高騰中【シェビーバン ビュービル】

バン

ビンテージ

シボレー

70年代の丸目を筆頭に、フルサイズバンの中でも80年代までの個体がビンテージバンとして人気を博してきた。しかし紹介する個体の様に90年代中頃まで基本コンセプトは変わらない。むしろ熟成された最終モデルこそベストバイ!

2018/02/07

走っているとやけにハンドルがブレる…原因はタイヤ?ホイールバランス?それともブレーキか?【REFRESH PROJECT】

メンテナンス

コラム

走行中に感じた違和感。それはハンドルのブレ。【REFRESH PROJECT】

2022/04/08

US日産の巨大ユーティリティバンのNV3500

バン

逆輸入車

2019 Nissan NV Passenger