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現在は5つのブランドで構成されるMOPAR【History of MOPAR】

MOPAR

MOPAR

クライスラー系モダンアメリカンがスバラシイ理由
Soul of Mopar

数々の買収や統合、ブランドの消滅の末現在は5つのブランドで構成されるMOPAR

過去に存在したMOPARブランド

すでに消滅してしまったデソート、イーグル、インペリアルプリマスは、そもそも日本国内では影が薄く、一般的には存在自体を知らない人も少なくない。そんな中でも、自動車趣味においては、ビンテージカーに着目するケースが定着し、特にマッスルカーが世界的に人気となったことで、象徴的な存在である「プリマス」の露出が急激に増え日本でもファンが急増。そもそも知名度のあるワーナーブラザースのキャラクターをモデル名にしたロードランナーを筆頭に、ダッジ・チャレンジャーの兄弟車のバラクーダは、TVシリーズ『ナッシュブリッジス』の劇中車を通して爆発的な人気となった。現存数が極めて少ないいわゆる激レア車なため、特に貴重なオプションによる個体では、億単位のプレミアムが付くことでも知られる。プリマス最後のモデルとなるプローラーも、ブランド消滅以降、プリマスの人気向上も影響して、現在ではコレクタブルな存在となっている。

 

Eagle イーグル

AMC(アメリカン・モーターズ)の買収にともなって、AMCの乗用車部門を同社の元祖クロスオーバーSUVであるイーグルワゴンから授かって“ イーグル” ブランドとして設立。AMC時代に資本関係にあったルノーのモデルや三菱などのOEM供給モデルのバッジを変えてリリースする。オリジナリティがない上に、ダッジプリマスの兄弟車であっても、イーグルのモデルにはMOPARの称号であるペンタスターのバッジが与えられていない…。唯一のオリジナルモデルであるビジョンにしても、クライスラーからは、コンコードとニューヨーカー、ダッジからはイントレピッドとしてバッジ違いの兄弟車が存在しただけに、イーグルとしての存在価値が低くく、結果として98年に終了。

Plymouth プリマス

1928年にスタートしたダッジと姉妹車関係にある大衆車ブランド。若者にも手の届くビッグブロック搭載マッスルカーとしてリリースしたロードランナーはワーナーブラザースのキャラクターをそのまま採用したことでもお馴染み。NASCARではキングことR・ペティの長期による活躍や、NHRAのプロストックでも、ソックス&マーチンが輝かしい戦績を残し、アイコンとして現在でも支持されている。しかし、マッスル全盛期以降は、オリジナルのモデルはほとんどなく、バッチ違いの兄弟車とあって、国内では無名に近い状態。最終的に2002 年を持って消滅していまったが、最後に放ったオリジナルモデルのプローラーは、量産型工場出荷ストリートロッドという斬新なアプローチがいかにもプリマスらしい。

 

Imperial インペリアル

1955年から1975年にわたりクライスラーの中で独立した最高級ブランドとして導入された。それまではエンジニアによって行なわれていたボディスタイリングは、レイモンド・ローウィーの元でスチュードベイカーのデザインを担当していた奇才ヴァージル・エクスナーが任命された。戦闘機の尾翼から着想を得たテールフィンを採用した「フォワードルック」スタイリングが特徴。66年型インペリアル・クラウンは「ザ・グリーンホーネット」の劇用車に採用されたことでお馴染み。ライバルのキャデラックやリンカーンと比べると、優雅さよりも重厚感や威圧感のある特有のキャラクターがある。5世代目となる75年をもって一旦終了するも、81~83年にラインナップされた6世代目をもって完全に終了。

 

Desorte デソート

競合他社であるビュイックやスチュードベイカーなどの中流層をターゲットとするクライスラー内のブランドとして1928年に導入。プリマスよりも上級グレードで、クライスラーよりは低価格というブランドの隙間を埋める立ち位置でスタート。しかしながら、新たなブランドとしてダッジが加わったことで、存在価値が薄れ、34年型の革新的なエアストリームなモデルであるエアーフローのデソート版は特に不評。さらに42年型では、同じく前衛的ともいえるスタイリングを突き進めた、コンシールド・ヘッドライト(36年型コードに続くも量産車では初)を採用。デソートならではのオリジナリティの高いモデルながら、セールスは今ひとつだった。50年代後半には景気の低迷で中価格帯が全般的に低迷しデソートのセールスも激減し、61年型をもってブランドが消滅している。

 

現在のMOPARブランドは5つ

アメリカの3大メーカーに一つとして認知されている「クライスラー・コーポレーション」は、ウォルター・クライスラーによって1925年に創業した長い歴史を持つ。経営難を回避する中で、1998年にはダイムラーベンツによって買収され、ダイムラークライスラーに改名。その時点で、それまで存在したブランドのデソート、プリマスインペリアル、イーグルは整理されている。ストリートロッドをテーマにしたロードスター、プリマスプローラーと同等のアプローチによる30年代のファットフェンダースタイルを現代版として小型ファミリーカーに落とし込んだ「PTクルーザー」が135万台という高セールスを記録。「300C」も予想以上のセールスとなるも、イラク戦争による原油高騰、続く世界金融危機の本格化によるダメージで経営破綻を余儀なくされる。最終的にフィアットの子会社という形で、現在はフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)として展開している。国内でのクライスラーはマイナーな存在だったが、復活したチャージャーチャレンジャー、SUVとしてのJeep系の人気が高まっている。フィアットの合併は、アメ車に目を向けていなかったヨーロッパ車オーナーにはプラスに作用しているかもしれない。

 

Chrysler クライスラー

元々技術者のウォルター・クライスラーは、スカウトされたビュイックにて技術面だけでなく経営でも大きく貢献しながらも、主義の違いから独立し、自身の名前のクライスラー・コーポレーションを設立。自身が技術者だったこともあり、技術面ではGMやフォードに先んじた姿勢で新技術をいち早く導入するも、先取りしすぎてユーザーには受け入れられないケースも少なくかった。それだけに時間の経過で再評価されている。最強のV8エンジンとして数々のレースでその高い性能を証明したHEMIの導入はクライスラーのブランドバリューを押し上げた。しかし、セールスの面では、GM、フォードには及ばず…。第二次石油危機のあおりで経営危機にさらされた際には、フォードを解雇されたリー・アイアコッカによってフロント駆動の小型車や、新たなカテゴリーとして導入したミニバンのヒットで、完全に立て直すことに成功。しかし、その後も厳しい状況が続き、ドイツのダイムラー・ベンツに買収/合併されている。リーマンショックが引き金となり、経営破綻に追いこまれ、アメリカ政府のテコ入れがあったが、事実上フィアットの完全子会社となり、2014年よりフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)として生まれ変わった。現在クライスラージープダッジラム・トラックスと共にFCAのブランドの1つとして構成されている。

 

Jeep ジープ

AMCの買収によってアメリカを象徴するJEEPブランドが仲間入り。SUVのグランドチェロキーラングラーのヒットによってSUV全体の人気が高まる中、JEEPのブランドバリューも急上昇。時代のニーズに合わせたSUVのジャンルを牽引する存在に。それによってトラディショナルなラングラーも人気が高まり、JKからはロングホイールベースの“ アンリミテッド” も追加された。四駆から、よりクロスオーバー色を高めた4ドアが導入されたことにより、それまで主流だった2ドアを凌ぎで全体の3/4を占める高セールスとなっている。国内でもアウトドアブームにシンクロして、幅色い層から支持を得ている。

 

Dodge ダッジ

エンジンやシャシーを製作する精密機械加工業の「ダッジブラザース」として初期のオールズやフォードに技術面で大貢献している。1928年よりクライスラーの傘下となり、ダッジ・ブランドとしてクライスラーの中核を担う存在となった。60年代のマッスルカー全盛期には、NASCARおよびNHRAなどのメジャーレースにエンジニア陣がプライベートも含めて積極的に参戦。各カテゴリーにおいて、輝かしい戦歴を残している。チャージャーチャレンジャーのハイパフォーマンス仕様としてラインナップされたR/T(ロード&トラック)は文字通り、レースからストリートまで対応する他社モデル以上に本気な仕様とあって、実際にレースを楽しむハードコアなファンが多い。その姿勢はSRTの他、ヘルキャットなど現在でも受け継がれている。

 

Ram ラム

1914年のダッジ創業時よりトラックをリリースし、トラックは販売台数では最も多くクライスラーの屋台骨を支える存在。ラムのネーミングは32年に初採用され、Dシリーズのトラックのほか、バンにも採用された。ダッジのトラックには、純正カスタムともいえるLil ‘Red Expressなどの特別仕様が存在し、今でも人気が高くコレクタブル名存在。同様に、ダッジ・バイパーと共通するハイパフォーマンスなV10エンジンを搭載したマッシブな仕様をリリースするなど、独創性に富んでいる。2009年からは1ブランドとして独立。ダッジとブランドをセパレートすることで、異なるアプローチでより理想的な展開を互いに行なえるようにするのが狙い。また、一般ユーザーよりも商業ユーザーに充填を置く部門としてラム・コマーシャルを設立し、セミトレーラーなどにも対応する。ロゴやエンブレムは従来のデザインを引き継ぎ、実質的にはダッジであることにはかわりがなく、VINナンバーを辿ってもダッジとなる。

 

MOPAR モパー

クライスラーのパーツ部門の名称として“MOtor” と“PARts” による造語としてMoparのネーミングは1920年代より使われていた。1937年に正式なブランド名として製品パッケージにも表示されるようになる。純正パーツ、消耗品の他、時代のニーズに合わせてパフォーマンスパーツも積極的にラインナップ。またNASCARやスプリントカーをはじめNHRAといったメジャーレースのイベントスポンサーを永年に渡って行なっている。同時に参戦者、チームへのスポンサードも他社以上に積極的。レースに参戦するハードコなユーザーが多いこともありMoparをアピールする多くのファンに支持されている。2017年にはMoparブランド創立80周年を記念して、特別仕様のダッジ・チャレンジャーが160台限定でリリースされている。

 

Text ◆ Hideki Ishibashi

アメ車マガジン 2019年 5月号掲載


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