クーペ

コルベットは非日常へと連れ出してくれるオモチャ

1969 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY

1969 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY

1969 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY
OWNER:KOICHI HATANAKA

CORVETTE CHRONICLE

20年先を見据えて30代の時に購入した想い入れ深き一台

20代の頃はC3といえば80年型から82年型の後期モデルに憧れを抱き、アイアンバンパーなんてせっかくの美しいボディラインが台なしとさえ思っていた。しかし、歳を重ねるごとに、コルベットを知れば知るほどに、その魅力に気づいたと言う畑中氏の集大成が紹介するC3アイアン!

18歳で輸入車修理の道に進んだことでアメ車の虜となった畑中氏。初めて購入したのが78年型Z28カマロ、その後22歳で79年型トランザムと続き、数々のアメ車を乗り継いできた。コルベットに対する憧れはずっとあったものの当時は中古車でも高嶺の花。中々手を出せる代物ではなかった。それでも〝いつかはコルベット!〟を夢見て日々仕事に励んでいたと言う。

1969 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY

20代の時に憧れていたのは新車で販売されていたC3の後期モデル。その頃はアイアンバンパーなど選択肢になかったと語る。しかし30代になると妙にアイアンに惹かれる様になり、白髪交じりになった50代の自分へ、今から用意しておこうと一念発起して30代の若さで購入した。最初の2年程はメンテナンスやレストアにお金と時間を費やし、ある程度仕上がったところでガレージに保管。その後20年ほど寝かせ、自身が乗ろうと決めていた50歳を迎えたものの、独立開業して忙しい日々を送る中で時間がさけず、4年遅れの54歳にしてようやくエンジンに火を入れたそうだ。

購入してから26年の歳月を経て、その間お互い熟成を重ねてきた甲斐もあり、このアイアンに乗って走ると若かりし頃に苦労したことや楽しかったことなど、様々な想い出に浸れる。エアコンやパワステ、パワーブレーキなどの快適装備は一切なく、ラジオすら取り去ってサイドマフラーが奏でるビッグブロックエンジンのエギゾーストサウンドを堪能しながら、自分の腕力と足の力でドライブする感覚は、まるで当時にタイムスリップしたかの様な非日常へと連れ出してくれると話す。気分が高まって手荒な乗り方もする時もあるが、労わる気持ちで日々メンテナンスを怠らず、ドライブから帰ったら常にガソリンを満タンにしておいて、無事に帰ってこれたことに感謝の気持ちを込めてボディカバーをかけている。

余生を楽しむために30代から準備を進めた畑中氏のC3アイアンは、車道楽最後にして集大成なる思い入れ深き一台と言える。

1969 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY

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黒いグリルは69年型の証であり、アイアンバンパーとのコントラストがとくに強調されるモデル。純正ラリーホイールはレストアの際にオリジナル調色した純正ブルーよりもワントーン濃い深みのあるブルーメタリックをリム面に同色コーディネート。タイヤサイズは前後共に235/60R15でKONIショックアブソーバーやウィルウッドブレーキシステムなど、足回りもひと通り手を加えている。

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1969 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY

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1969 CHEVROLET CORVETTE STINGRAY

フッカーサイドマウントヘダースクロームサイドパイプはビッグブロックの鼓動をダイレクトに感じさせ、ハーストシフターでギアを入れてパワステなしの純正ステアリングで腕力を使ってクィックに走らせる感覚は実に官能的。ロードスターならではのボディラインを邪魔する純正シートからスッキリしたコブラシートへ換装するなど、フォルム造型美へのこだわりも抜かりない。

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ビッグブロック427cu.in(7.0ℓ)のレーシングスペックを誇るL88エンジンを搭載した69年型C3。超貴重な個体のため、オリジナルエンジンはそのままに各部をオーバーホールして大容量アルミラジエーターに換装。30代の頃にある程度作業を進めた後に50代で燃料系や水回りなど仕上げの手を加えて長い眠りから目を覚まさせた。

取材協力:ホテル&リゾーツ長浜
HP:https://www.daiwaresort.jp/nagahama

PHOTO&TEXT:石井秋良
アメ車マガジン 2020年 8月号掲載


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