クーペ

TRANS-AMレースのホモロゲーションモデルとして定められたプリムスバラクーダ

1970y PLYMOUTH AAR 'CUDA、1970y プリマス AARクーダ

1970y PLYMOUTH AAR 'CUDA、1970y プリマス AARクーダ

1970y PLYMOUTH AAR ‘CUDA

“Vintage Mopars” 官能のヴィンテージ・モパー

専用装備を多く採用するAARクーダ

TRANS-AMレースのホモロゲーションモデルとして定められた最低量産台数2500台をクリアしトータルで2725台が出荷されたAARクーダ。そのうちオートマチック車が1614台。そしてこの撮影車と同じマニュアル車は1120台と極めて希少な存在。グリル、ガーニッシュがガンメタで塗装される’Cudaに対し、ベーシックのバラクーダをベースとしているAARはブラック。またマフラーがリアのスプラッシュパネルを貫通する’Cudaに対し、専用のサイド出しとなるAARは標準のバラクーダ同様穴の開かないプレーンなタイプ。

スクープのあるファイバーグラス製フード、通称“アイブロー”のフロントスポイラー、トランクに付く1ピーススポイラーはAAR専用アイテム。専用の“ストロボライン”グラフィックが何よりも印象的。機関系では340モーターの標準が4bblに対し6bbl(290hp)。前後スウェイバー、ショック、リーフはヘビーデューティタイプ、ステアリングギヤボックスはクイックレシオが採用される。ホイール/タイヤは本来4本とも同サイズ(G60)なのに対し、AARのリアはわずかにワイドなE60となる。

1970y PLYMOUTH AAR 'CUDA、1970y プリマス AARクーダ

GM、フォードのライバル達に比べてマイナーな存在ではあるが、独創性に富んだPlymouthが誇るコンパクト・スポーツ・スペシャルティがバラクーダだ。ブランド自体が消滅してしまった現在ではコレクタブルなレア・マッスルの代表として外せない存在なのだ。

コンパクトモデルとして好セールスとなったバリアントをベースに、スポーティなハッチスタイルにアレンジしたプリムス・バラクーダ。1964年のデビューのタイミングに、対抗馬となるマスタングが新登場し大ブレイクしたことで、バラクーダの存在は完全に霞んでしまった…。それでもバラクーダには魅力的な点も多く、ハイパフォーマンスパッケージとしてラインナップされた“フォーミュラーS”には273hpのV8が搭載された。

67年には同じAボディ枠のままモデルチェンジを受け、それまでのヨーロピアンなイメージを一新したアメリカンなスタイリングとなる。フォーミュラーSにはビッグブロックの383も追加され、69年型からはハイパフォーマンスパッケージを「’Cuda」に改め、それまでのフォーミュラーSは’Cudaのオプションとし、エンジンは340、383に加え440も選択できた。

また、68~69年型では426HEMIを搭載する完全なレース仕様を工場出荷し、NHRAのスーパーストック(S/S)にワークスとしても参戦。その圧倒的な強さは現在のレギュレーションでも変ることがないほど。そのS/S車の活躍がバラクーダ人気のキッカケになったと同時に、ポテンシャルありきのMOPARマッスルのタフなイメージも浸透させた。70年になるとTRANS-AMレースへのワークス参戦に向け、新設計のEボディでモデルチェンジ。レース界のヒーロー、ダンガーニーと手を組み、TRANS-AMレースに参戦。ホモロゲカーは彼のチームであるAARにあやかって「AAR ‘Cuda」のネーミングが与えられた。

1970y PLYMOUTH AAR 'CUDA、1970y プリマス AARクーダ

それでもセールス面ではGM、フォードには及ばず、排ガス規制に対しても潔く見切りをつけ、あっさりと74年型をもって生産を打ち切った。しかし、姉妹車のチャレンジャー同様にロー&ワイドに特化した独創的なスタイリングに加え、V8最強を誇る426HEMIが設定されたマッスルカー本来のキャラクターを持つ希少なモデルとして現在では多くのファンを獲得する。

オリジナルのAAR ‘Cudaのストックに則ってレストアをしながら、いわゆるナンバーズマッチでなはない個体であることをプラスに受け止め、そのポテンシャルをイージーかつ最大限に満喫するためのアップグレードを施した。エンジン/キャブレターはストックとし、エキマニを名門の専門ブランド、ダグズ製ヘダースにアレンジ。

AAR特有のサイド出しレイアウト&チップはそのままでマフラーをアレンジ。“ピストルグリップ”シフターは専門メーカーであるHurst製だが、70~71年型にだけ採用されたマニュアル車ならではの純正パーツ。トランスミッションはストックだが、クラッチを本来のリンケージ式からハイドロリック式にアップデート。これによってタッチも反応もストック以上に向上。

AARに限らず、6bblキャブレターを装備するモデルでは、専用の大型エアークリーナーによるスペースの関係でエアコンの設定はないが、ここでは社外製品を用いて無理なくインストールしている。

1970y PLYMOUTH AAR 'CUDA、1970y プリマス AARクーダ

運転席のみバケットに変更。ステアリングは希少なオプション「タフ」のリプロ品をベースに、当初装着されていたオリジナルのパッドをインストール。ちなみにAARのギヤボックスはクイックレシオが採用されている。

 

1970y PLYMOUTH AAR 'CUDA、1970y プリマス AARクーダ

ライムグリーン&オレンジのコントラストが美しいエンジンルーム。オリジナルの340+6bbl(290hp)はエンジンは、ダグス製のヘダースを装着。油圧クラッチ用マスターシリンダー、エアコン以外はルックス、コンディション共にオリジナルキープ。

 

1970y PLYMOUTH AAR 'CUDA、1970y プリマス AARクーダ

ホイールは70年型からラインナップされたオプションの「ラリー」。ドラッグレース参戦を機にリアにはミッキートンプソン製ETストリート(255/60R15)を組み込んだ。

 

1970y PLYMOUTH AAR 'CUDA、1970y プリマス AARクーダ

TRANS-AM仕様車といえどもストック状態ではふんわりとした乗り味なため、トーションバーはあえてビッグブロック車用に、リアのリーフもヘミ用に変更。

SPEED RESEARCH【スピードリサーチ】
住所:和歌山県岩出市相谷550
tel:0736-79-6660
HP:http://www.speedresearch.net

マッスル系をメインにヴィンテージアメリカンを専門に扱うスペシャルショップ「スピードリサーチ」。車両販売、メンテナンス、レストアをはじめ、ストックの魅力を生かしてアップデートする“レストモッド”系のカスタムも得意で、積極的に各地のカーショーにも出展している。

■Text & Photos|アメ車MAGAZINE

アメ車マガジン 2016年1月号掲載


関連記事

  1. 2012 CHEVROLET CAMARO、2012 シボレーカマロ すべて面倒を見てくれる救世主の存在が、想像以上のカマロを生み出す…
  2. 2019 Dodge Challenger SRT Hellcat Redeye、2019 ダッジチャレンジャーSRTヘルキャットレッドアイ 赤い目のヘルキャットは797hp。最強のマッルスカー『レッドアイ…
  3. 1972 GMC C1500 目力の強い精悍なマスクが魅力のGMCのピックアップトラック
  4. 1968 プリマス バラクーダ 360ストローカーの408ci搭載のストリートフレンドリーなバラ…
  5. 358 美しいボディだけが美学ではない傷や汚れも本物の証 シボレーC10…
  6. 1965年 シボレー コルベット 歴代モデルにおいてC2コルベットは、美しさ、ポテンシャル、ステイ…
  7. 1962年 リンカーン コンチネンタル 大統領専用車に採用されたリンカーン・コンチネンタルの4代目モデル…
  8. シボレーコルベット、ハマーH2 MSTに集う若きアメ車オーナーたち コルベット&H2

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

*

PAGE TOP
×